風便り〜大切なあなたへ〜






私は、今にも大和に掴みかかりそうなお父さんを見て、ちゃんと私の気持ちも伝えたいと思った。



「お父さん・・私も大和と同んなじ気持ちだよ。家族に反対されても、勘当されても、早く大和と一緒になりたい・・ダメなら駆け落ちする・・」


「真子・・お前まで・・」



そう言うと、お父さんは、力が抜けたように項垂れた。



「お父さん・・普段は自分を出さない真子が、ここまで言っているんですから、もういいじゃないですか?」



今まで黙って話を聞いてきたお母さんが、お父さんの肩に手を置いて言った。



「母さん・・」



お父さんは、涙目でお母さんを見た。



「お父さんも、真子を失いたくはないでしょう?親として、甘いかもしれませんが、もう許してあげましょう?」


「お母さん・・」



お父さんは大きなため息をついたあと、観念したように言った。



「・・真子・・もう好きにしなさい。だけど、ちゃんと守屋くんに、幸せにしてもらうんだぞ?」


「うん、ありがとう」


「守屋くん、真子を傷つけるようなことがあったら、許さないからな?」


「はい」



そう返事すると、大和は、私をぎゅっと強く抱きしめてくれた。

私もぎゅっと大和を抱きしめ返した。

大和の肩は、少し、小刻みに震えていた。

私の肩も、震えていた。

私は我慢できずに、大粒の涙を流して、指輪を強く握りしめた。


お父さん、お母さん、ありがとう・・。

私、ちゃんと大和に、幸せにしてもらうから、心配しないでね・・。

私も、大和を絶対に幸せにするからね・・。


大和・・。

お父さんと、お母さんが、結婚を許してくれたよ。

私、本当は、絶対に許してもらえないと思ってた・・。

大和と、駆け落ちする覚悟だったのに・・。

だけど、大和はすごいね。

ここまで人の心を動かしちゃうんだよ・・。

私、本当に大和を好きになってよかった・・。

大和を愛してよかったよ・・。



「お姉ちゃん!大和さん!おめでとう!」



今まで黙っていた結依が、大声で叫んだ。



「俺は別にどうでもいいけど・・まあ、良かったんじゃない?」



そう言った祐太の目にも、光るものがあった。

素直じゃないね。

だけど、ありがとう。