風便り〜大切なあなたへ〜






「ただいま」



玄関を開けると、祐太と、結依が走って、出迎えてくれた。



「お姉ちゃん遅かったね!あ、大和さんだ!」


「お邪魔します」



そう言って大和は、軽く頭を下げた。



「また来たのかよ」



祐太は、言葉とは裏腹に、照れ臭そうに微笑んでいた。

大和が来てくれて、嬉しいんだね。

私も嬉しいよ。



「大和さん!上がって!」



そう言って、結依は大和の腕を掴むと、強引に大和の腕を引っ張った。

大和は少し体勢を崩しながら、靴を脱いで家に上がった。

私も靴を脱ぐと、お父さんの靴が揃えて置いてあるのに気が付いた。


お父さん、もう帰ってるんだ・・。



「ただいま」



そう言ってリビングに入ると、勢いよく、お父さんが私に抱きついてきた。



「おかえり、真子〜!誕生日おめでとう〜!お父さん、真子に、すごーく、会いたかったぞ〜!」



そう言ってお父さんは、自分の頬と、私の頬をスリスリしだした。



「やめてよ、気持ち悪い・・」


「なにー!?お父さんショック!お前をそんな子に育てた覚えはないぞ!」


「うるさいんだよ、おっさん。客にも気付け」



そう言って、祐太は私からお父さんを引き剥がした。



「ん?客?」



お父さんは私の後ろにいる大和に、気がついて、大和を見た。



「・・初めまして、守屋大和です」



少し硬くなりながら、大和はお父さんに頭を下げた。

お父さんは、大和を一周して、大和の顔を覗き込んだ。



「なんだ?きみは?」


「あの・・真子さんと、お付きー・・」


「お父さん!お姉ちゃんの彼氏だよ!」



大和が挨拶しようと、話し始めたところで、結依が叫んだ。

前にも同じことがあって、私は小さく笑った。



「なに!?真子に彼氏だと!?」


「うん!そうだよ!ね、大和さん!」



みんなの視線が、大和に集中した。



「はい」


「ふぅ〜ん・・・」



そう言ってお父さんは、大和の周りを、また一周した。



「・・・合格!」


「は?」


「守屋くんだっけ?きみ、背が高いし、なかなかの男前だね〜!しっかりしてそうだし、真子のこと、大事にしてやってくれ!それと、せっかく来てくれたんだ、ぜひ今日は泊まっていってくれ!」



そう言ってお父さんは、大和の背中をバシバシ叩いた。