風便り〜大切なあなたへ〜






それから大和は、耳だけでは終わらせてくれなかった・・。


大和の嘘つき・・。


私は少し拗ねて、大和に背を向けた。

大和は背中から、私をぎゅっと抱きしめた。



「ごめん、暴走した」



大和の少し寂しそうな声が耳を掠めて、私は大和の方に向き直した。



「もう、いいよ・・」



そう言って、私は大和を見上げた。


せっかくの誕生日だし、私も泣きすぎたのが悪かったんだよね・・。

大和は、私のことを心配してくれたから、怒ったんだよね・・。

私が怒っちゃダメだよね・・。



「大和、心配かけてごめんね・・?」


「・・もう心配かけんなよ?」



そう言って大和は優しく微笑んでくれた。



「うん」



私は大和の優しい笑顔を見て、少し安心した。


さっきまで大和、怒ってたから・・。


だからまた、大和の優しい笑顔が見れて、私は嬉しかった。

私は首元の、二つに増えた指輪をぎゅっと握りしめた。



「真子、幸せか?」


「うん、幸せだよ」



私は大和を見て、優しく微笑んだ。

脱水症状で倒れちゃったけど、こんなに幸せな誕生日は、初めてだよ・・。

大和がいなかったら、きっと、こんなに素敵な誕生日は迎えられなかった・・。

いつも通り、学校で友達におめでとうって言ってもらって、家に帰って、ケーキ食べるだけだったよ・・。

大和がいてくれたから、こんなに幸せな誕生日を迎えられたんだよ。

大和、ありがとう。


それからしばらく、私は大和の腕の中で眠った。


大和の腕の中は、すごく安心できる。

守られてる感じがして、すごく落ち着く・・。


私が起きると、大和は私を抱きしめたまま、寝息を立てて眠っていた。

私は大和の鼻を小さく一回突ついて、起きないのを確認すると、そっと大和の口に、唇を重ねた。


・・今日は起きない。

大和、疲れてたのかな・・?


私はもう一度大和に触れると、指輪をぎゅっと握りしめて、大和の胸に顔をうずめた。