風便り〜大切なあなたへ〜






「俺の一世一代のプロポーズ、夢にされちゃ、たまったもんじゃねえよ」



「っ・・ごめん・・」



「お前、泣きすぎ。脱水症状起こすまで、泣くなよな」



そう言って大和は、私の頭を優しく撫でてくれた。



「もう、頭痛くねえか?」


「頭?」


「覚えてねえのか?お前、寝たかと思ったら、頭痛いって一回起きたんだぞ?」


「・・・」



そんなの、覚えてない・・。

大和がここまで、連れてきてくれたのかな?

中庭から保健室まで遠いのに・・。



「・・大和が、ここまで連れてきてくれたの?」


「あ?・・ああ、お姫様抱っこしてな。お前、重かったぞ」


「・・・」



そう言って大和はニヤッと笑った。

私は恥ずかしくなって俯いた。


・・お姫様抱っこ?

そんなの全然覚えてないよ・・。

ていうか、私ってそんなに重たいのか・・。

ダイエットしよう・・。



「真子、顔あげろよ」


「・・・」


「・・冗談だよ。重くなかった、軽かった。お姫様抱っこもしてねえよ」



そう言って、大和は私の頭に手を乗せた。

私はそっと大和を見上げた。



「あんまり心配させんなよ。泣き虫なのはいいけど、こんな風になるまで、泣くなよ」



そう言った、大和の顔も、声も、すごく真剣だった。

怒ってるわけじゃなさそうだけど、さっきまでの優しい雰囲気は消えていた・・。



「・・・うん、ごめん」


「俺を心配させといて、ただで済むと思うなよ」


「え?」


「帰るぞ」



大和は私の手を掴むと、無理やり歩かせた。

大和の逆の手には、私と大和の鞄が握りしめられていた。


鞄・・いつの間に?

さっきいなかったのは、鞄取りに行ってくれてたのかな・・?



「大和、授業は・・?」


「なに言ってんだ、もう放課後だろ」



私ってそんなに寝てたの・・?

さっきまで、お昼だったのに・・。