風便り〜大切なあなたへ〜






目が覚めると、うっすら天井が見えた。

不思議に思って、周りを見渡して見ると、あんまり見慣れない部屋だった。

だけど、閉まっているカーテンの隙間から見える、置いてある物や、ベットの上に寝てることで、ここが保健室だとすぐにわかった。



「・・・あれ?」



私、中庭にいたはずなのに・・。

保健室には、私以外、人の気配はなかった。



「・・大和?」



さっきまで一緒にいたはずの大和の姿がなくて、私は不安になった・・。

名前を呼んでも、返事が返ってこない・・。

さっきのは、夢だったの・・?


私は左手の薬指を見たけど、指輪はなかった・・。



「ない・・やだ・・本当に夢だったの・・?」



あんなに幸せだったのに、あんなに涙をこぼしたのに、あれが全部、夢だったなんて、そんなの嫌だよ・・。


大和・・。

大和、どこにいるの・・?



「大和・・っ・・」



私が不安で泣きそうになった時、保健室のドアが開いた音がした。

人の歩く足音が聞こえてきて、閉まっていたカーテンが勢いよく開いた。



「なんだよ、起きてたのか?」


「・・っ・・大和っ」


「おい、なんで泣いてんだよ?」



大和の姿を見て、声を聞いて、涙が溢れてきた。

不安だった気持ちが消えて、ホッとした。

私は体を起こして、大和に抱きついた。



「おい、どうしたんだよ?」


「・・っ・・大和っ・・ないの、指輪が・・ないのっ・・全部、夢・・だったのっ・・」


「あ?指輪?」



そう言うと大和は、私の首元からネックレスを取り出した。

カチャっと何かと何かがぶつかるような音が聞こえてきた。



「なんだよ?あるじゃねえか」



言いながら、大和は小さく笑った。

私は大和から離れて、ネックレスを見た。

ネックレスの先に、小さい指輪が二つついていた。



「・・っ・・あっ、た・・夢じゃ、なかった・・っ・・」



私は嬉しくなって、二つの指輪をぎゅっと握りしめた。

それと同時に、また涙が溢れてきた。