風便り〜大切なあなたへ〜






暑さなんて全然感じなかった・・。

ただ、嬉しくて、幸せで、私は温かい気持ちになった・・。

これ以上大和に何か言われたら、もう私は、涙を止められないと思った・・。

プロポーズの言葉を言ってもらわなくても、これだけで十分だと思った・・。

抱きしめてくれてる大和から、大和の気持ちが、想いが伝わってきて、本当に幸せだった・・。



「真子」


「・・っ・・名前っ・・呼ばなっ・・で・・」


「名前もダメなのかよ」



そう言って、大和は小さく笑った。


だって、大和に名前を呼ばれただけで、こんなにも涙が溢れてくる・・。

大和の低くて、安心できる声を聞くだけで、こんなにも胸が熱くなるんだよ・・。



「今だけ、それも、こっちに付けとけよ」



そう言うと大和は、私の首にあるネックレスを外して、指輪をネックレスから取った。



「真子、手かせよ」



大和にそう言われ、私は大和から少し離れると、さっき指輪を付けてもらった手を差し出した。

大和はタンポポの花びらの入った指輪を、さっきと同じように、左手の薬指にはめてくれた。



「・・っ・・」



私は嬉しくて、また涙が溢れてきた。

そんな私を見て、大和は優しく私の頭を撫でてくれた。



「真子」


「・・っ・・呼ばなっ・・でっ・・」


「言わせろよ」


「っ・・」


「真子、お前を、愛してる」



大和はそっと私の顎を摘まんで持ち上げると、優しく私の唇に触れた。

また、涙で大和の顔は霞んでいたけど、優しい顔をしてるのだけは分かった。



「真子・・・俺が18になったら、俺と、結婚してくれ」


「・・っ・・へ?・・」



大和から予想外の言葉が出てきて、私は目を見開いて大和を見た。

大和は、今までに見たことのない、柔らかくて、穏やかな、優しい笑顔を浮かべていた。