風便り〜大切なあなたへ〜






お昼休み。

前は風香ちゃんと一緒にご飯を食べていたけど、2ヶ月前くらいから、風香ちゃんは、彼氏の涼くんのクラスでご飯を食べるようになった。

風香ちゃんがいないと、少し淋しいけど、今は大和と二人だけでお昼を過ごせるから、それはそれで、すごく嬉しい。

誰もいない中庭の、木陰の小さな段差に、私と大和は座った。

中庭は良く日が当たるから、こんな暑い日に、人は誰も出てこない。



「あー・・暑い・・なんだよ、この暑さ、異常じゃねえか?」


「そうだね、暑いね・・来週からは、違うとこ探そう?他に二人になれる場所、きっとあるよ」


「そうだな・・」



そう言って大和は、私の作ったお弁当を広げた。

私は水筒の蓋に、冷たいお茶を注いで大和に渡した。



「お前、いい嫁になるな」


「え?」


「何も言わなくても、こうやってお茶出してくれるし、お前の弁当、いつも美味えよ」



そう優しい笑顔で大和は微笑んだ。

私は恥ずかしくなって、俯いた。

こんな暑い日に、そんな褒めないでよ・・。

余計に暑くなっちゃうよ・・。



「真子、顔あげろよ」


「・・・」



私はゆっくり顔を上げた。

大和は私を見て、優しく微笑んだ。



「顔、真っ赤」


「・・・大和の、バカ。ただでさえ暑いのに、もっと暑くさせないでよ・・」


「・・お前こそ、上目遣いで、可愛いこと言うなよ。我慢できなくなんだろ」



そう言うと大和は、少し強引に、私の唇に触れた。



「・・・ん・・」


「ごちそうさま」



そう言って大和は、意地悪に笑った。

大和に触れられて、大和の笑顔を見て、私の心臓はまた鼓動を速めた。


大和と付き合って、三ヶ月が過ぎたのに、私はいつまでたっても、毎日のように、大和にドキドキしてる・・。

本当に、私、こんなんじゃ心臓が壊れちゃうよ・・。

ご飯だって、本当はもっと食べたいのに、大和と一緒だと、胸がいっぱいで食べられない・・。