風便り〜大切なあなたへ〜


ー 真子視点 ー





守屋くんは校舎を出ると、昇降口前に倒してあった自転車を起こして、私に後ろに乗るように言った。



「・・・守屋くん、どこ行くの・・?」


「名前で呼べよ」


「うん・・大和・・」



久しぶりに、守屋くんの名前を呼んだ気がする・・。

守屋くんの背中は、あいかわらず逞しくて大きい。

やっぱり私、この背中が大好きだよ・・。

守屋くんの背中から、優しさと温もりが伝わってくる・・。


ごめんね、守屋くん・・。

どうしても、守屋くんを守りたかった・・。

守屋くんのためなら、何だって我慢できると思ってた・・。

だけど、守屋くんを裏切るようなことになって、すごく後悔した・・。

もう死んでしまった方が楽なんじゃないかって思った・・。

でも、守屋くんの笑顔を思い出して、もう一度守屋くんのために頑張ろうって思ったけど、守屋くんにあんな姿を見られて、本当に後悔した・・。

私は何をやってんだろうって・・。

きっと、見られてなくても後悔したと思う・・。

こんなことしても、守屋くんは喜んでくれない・・。

ただ、守屋くんを傷つけるだけだって・・。



「大和・・ごめんね・・あんなことして、私のこと嫌いになったよね・・」


「なるわけねえだろ」


「・・・」


「ただ、怒ってはいる。お前にも、俺自身にもな」


「え?」


「・・・俺が、お前と別れるなんて言ったから、だからお前があんな無茶なことして、俺のために傷ついて・・俺は悔しくて、自分に腹立ててるんだよ」


「・・・守屋くん・・」


「聞こえねえ」


「大和・・」



こんなやり取りも、久しぶりな気がする・・。

ただ数日会えなかっただけで、もう何ヶ月も会っていないような、そんな感じ・・。


ごめんね、守屋くん・・。

だけど、守屋くんが来てくれて、私、嬉しかったよ・・。

最初は、あんな姿見て欲しくなくて、ずっと来ないでほしいって思ってたけど、だけど、守屋くんの顔を見て、守屋くんが来てくれて、すごく嬉しかった・・。

やっぱり守屋くんは、私のヒーローだよ・・。

たった一人の、私だけの王子様・・。