風便り〜大切なあなたへ〜






「・・そんな・・っ・・じゃあ、私っ・・なんで・・」



そう言って真子はまた、大粒の涙を流した。



「やっぱ、お前の泣き顔、たまんねーなー」



結城さんはそう言うと、にやけながら真子に顔を近づけた。

あと数センチのところで、俺は耐えられず、結城さんに殴りかかった。



「ふざっけんなよ!てめえ!」


「っ」



俺の拳は結城さんの頬に当たり、結城さんは勢いよく地面に尻もちをついた。



こんなもんじゃ、足りねえんだよ!

真子の心は、もっと痛かったはずだ!

動けなくなるまで、てめえを殴ってやる!



「許せねえ!」



そう叫んで、俺は結城さんの上に馬乗りになり、また結城さんに殴りかかった。

だけど今度は避けられてしまい、逆に俺が結城さんに、思いっきり腹を殴られた。



「・・っ」


「あっ・・守屋くん・・!」



心配した真子の声が、横から聞こえてきた。

俺は痛いのを我慢して、真子に優しく微笑んだ。



「大丈夫だ・・心配すんな」


「っ・・守屋くっ・・ごめ・・ごめっ・・な、さっ・・」



くそっ、今すぐ泣いてる真子を抱きしめてやりてえのに、動けねえ・・。



「真子っ・・泣くなよ・・」


「・・っ・・」



俺の言葉に、真子の目からまた涙が溢れてきた。


真子・・。

すまねえ・・。

俺が間違ってた・・。

別れるなんて言わなかったら、こんな事にはなってなかったはずだ。

後悔しても、しきれねえ・・。

・・だからもう、二度とお前を手放したりしねえよ。

俺が全力で、お前を守ってやる。

だからもう、泣くなよ、真子・・。



「あー、つまんねー」



結城さんは、俺の下から出て起き上がると、俺の腹を思いっきり蹴り飛ばした。


「っ・・」


「・・もう十分楽しませてもらったし、俺は帰る」



そう言って結城さんは、俺たちに背を向けた。