風便り〜大切なあなたへ〜








「なんだ、早かったな。もう少し楽しませろよ」


「てめえ・・殺す!」



結城さんは鼻で笑うと、俺の手を払いのけ、逆に俺に掴みかかってきた。



「お前はこいつのなんなんだ?こいつとは別れたんだろ?今は俺の女なんだよ」



そう言って結城さんは俺から手を離し、真子に近づいて顎を持ち上げた。


は?

なに言ってんだよ、こいつ・・!

真子に触んじゃねえ!


俺は怒りで拳が震えた。

真子は泣きながら両頬を赤く腫らして、はだけたシャツのせいで上半身がほぼ全部丸見えになって、震えていた。

俺は真子をこんな姿にした、目の前のこいつが許せなかった。



「ほら、来てくれたぞ?ちゃんと見てもらえ」


「・・やだっ・・守屋くん、見ないで・・見ちゃ、嫌だよ・・っ・・」



真子は俺から目線をはずして、涙を流しながら言った。



「真子っ・・」


「健気だよなー、お前のために自分を売るだなんて」


「どういうことだよ・・つーか、真子に触んな!」


「こいつは、俺と取り引きしたんだよ」


「・・取り引き・・?」


「お前が俺の女になったら、香月さんにはお前のこと勘違いだったって言ってやるって、そしたら守屋も殺されなくて済むってな。お前を守りたいから、俺の取り引きに応じたんだよ、こいつは」



俺はぐっと拳を握りしめた。



「なんだよ・・それ・・」



香月さんが俺を殺すだと?

そんなわけあるかよ!

あの人は、人を半殺しにしても、殺すことはしねえよ!

あんただって、それくらい知ってんだろ!

こいつ、真子に嘘吹き込んで、騙しやがったな・・!



「んなわけあるかよ!てめえ、真子を騙しやがったな!」


「・・えっ・・?」



俺の言葉に、真子は俺を見上げて、すぐに結城さんに視線を移した。



「・・・うそ・・」


「残念、本当ー」



そう言って結城さんは笑い出した。