風便り〜大切なあなたへ〜






「あいつに、会わせてやろうか?」


「え?」


「あんたが、俺の女になってくれたらな」


「・・・・やだよ・・守屋くん以外の人と・・付き合いたくないよ・・・」



守屋くんの名前を口にすると、私の目から堪えきれなくなった涙が零れてきた。


だって、こんなに守屋くんのことが好きなのに・・。

守屋くんにはすごく会いたいけど、守屋くんを裏切るようなことは、できないよ・・・。

・・守屋くんだって、私のために辛い決断をしてくれたのに・・・。

私には、守屋くんだけだよ・・。



「・・っ・・」


「いいのかよ?お前、あいつが好きなんだろ?あいつが好きなら、あいつのこと守ってやろうとか、あんた思わないのかよ?酷い女だな」


「ぇっ・・っ・・?」



結城さんは足を止めて、私を振り返った。



「あんた、自分のことしか考えてねえのか?」



そう言って、結城さんは私の後頭部を掴んで押さえると、強引に唇を重ねてきた。



「・・っ・・や、だ・・」



抵抗すればするほど、強引で、激しくなっていく・・。

私は結城さんの胸を思いっきり突き飛ばした。



「やっ・・!」



結城さんは少しよろけながら後ろに下がった。



「あー・・あんたの泣き顔、最っ高。もっとぐじゃぐじゃにしてやりてえ」



なんなのこの人・・?

なんか、怖いよ・・。



「この俺が、こんなに優しくしてやってるのに、まだ気付かないのか?」



そう言って結城さんは、また私に近づいてきた。

私は泣きながら少しずつ後退った。

だけど、背中に塀の壁があたり、これ以上、後ろに下がれなくなった。

結城さんは、私の顔の横に勢いよく手をついた。



「わかんないかなー?俺のさじ加減一つで、あんたらの運命決まんだよ」


「・・・っ」



何言ってるの・・?

わかんないよ・・。

どういう意味なの・・?



「あんた頭悪いな。あんたに選択権はねえんだよ」



結城さんはぐっと顔を近づけて言った。

私は怖くて、目をぎゅっと閉じた。