風便り〜大切なあなたへ〜






次の日の朝。

家を出ようとしたら、家の呼び鈴が鳴らされた。


誰だろう・・?

・・もしかして、守屋、くん?


この時間に、家に来たことがあるのは、守屋くんだけだった。

私は大きな期待を膨らませて、緊張しながらドアを開けた。



「守屋、くん・・?」


「よう」


「・・・」



私は目の前の人物を見て、ゆっくりドアを閉めた。

だけど、全部閉めるきる前に、ドアの隙間に手と足を挟まれて、ドアは強引に開かれた。



「おい、待てよ、閉めんなよ」


「・・なんで、いるんですか・・?」



ドアを無理やり開いたのは、守屋くんじゃなくて、結城さんだった。


なんで私の家、知ってるの・・?

なんでのこの人が、ここに・・?



「迎えに来てやったんだ、挨拶くらいしろよ」


「・・・おはよう、ございます・・」


「あんた、意外と素直なんだな」


「・・・」



結城さんは無理やり私の腕を掴むと、強引に私の腕を引いて、私を歩かせた。

掴まれてる腕が痛い・・。



「は、離してください・・」


「離さねえよ」


「・・・」


「また黙りか?」



そう言って結城さんは私の顔を覗き込んだ。

私は咄嗟に少し身を引いた。



「俺、あんたに、かなり嫌わてんだな」


「・・・」


「否定しねえのかよ」



そう言って結城さんは笑った。

やっぱり笑顔が、守屋くんに少し似ていた・・。

私は守屋くんの笑顔を思い出して、胸が苦しくなった。


守屋くん・・。

守屋くんに、会いたい・・。

守屋くんは今、どうしてるの・・?

守屋くんのことが、知りたいよ・・。



「あんた、守屋に会いたいか?」


「・・・うん・・」



私は素直に返事した。

守屋くんの名前を聞くだけで、目の奥が熱くなった。


泣いたらダメだよ・・。

しかも、この人の前で・・。


私は出てこようとする涙をぐっと堪えた。