風便り〜大切なあなたへ〜






先生と長いこと話をしていて、学校を出たのは、空が赤くなってからだった。


守屋くんとよく、土手で夕焼け見たな・・・。

今日の夕焼けは、すごく淋しそうにユラユラ泣いてるよ・・。

もう守屋くんと会えないのかな・・。

・・守屋くん、会いたいよ・・。

・・ダメだね、私・・。

守屋くんは、私のためにしてくれてるのに、私がこんなんじゃ、きっと、守屋くんに怒られちゃう・・。


私は土手まで歩くと、いつもの場所でタンポポを見ようと、屈んで探したけれど、黄色いライオンの姿は見つけられなかった・・。



「・・花びら、なくなっちゃってる・・」



守屋くん、あの時の花びら、押し花にしてくれるって言ってたけど、もう捨てちゃったのかな・・?

私たちの、思い出のタンポポだもん・・。

見ると辛いから、きっと捨てちゃったよね・・。



「おい、あんた」


「え・・?」



急に声をかけられて、びっくりして振り返ると、見覚えのある人が私を見下ろしていた。



「・・・」


「あいつは?」


「・・知りません」


「そんなわけないだろ?言わねえとまた殴るぞ?」



そう言って結城さんは、私を無理やり立たせた。



「本当に知りません・・」


「は?あんた、あいつの彼女だろ?」


「・・・守屋くんとは・・別れました・・」



自分の口から、こんなこと言いたくないよ・・。

守屋くん・・。

守屋くんに、会いたい・・。

心が苦しいよ・・。


私はぎゅっと胸を締めつけられて、胸が苦しくなった。



「あいつ、お前にマジなんだな」


「・・その制服・・」



結城さんを見ると、私と同じ学校の制服を着ていた。

よく見ると、守屋くんにちょっと雰囲気が似ている気がする・・。



「香月さんに言われて、転校した」


「え・・?」


「ちなみに俺、高三だけど二十歳だから」


「・・・」


「なんかリアクションしろよ」



そう言って結城さんは笑った。


この人、普通に笑うんだ・・。

どことなく、笑顔も守屋くんに似ている気がする・・。