風便り〜大切なあなたへ〜






「俺、ボコボコにやられて、動けなかった・・その時、さっき会ったあいつが助けてくれた」



・・さっき?

私は、私の腕を掴んで連れて行こうとしていた人を思い出した。

あの人、守屋くんを助けてくたのなら、そんなに悪い人じゃなかったんだ・・。



「あの人・・結城さんていうんだけど、結城さんは、俺が喧嘩売った奴らの敵対してる組織の人で、俺、結城さんに度胸見込まれて、結城さんのいるその組織に、ちょっと出入りしてた・・」


「・・・」


「そこの組長の娘に、俺、なぜか好かれちまって・・つっても三十路のババアだけどな」



そう言って守屋くんは鼻で笑った。



「お前と出会った日、そのババアにきめえんだよつったら、お付きの奴らに殴られた」


「・・あの時の傷って・・」


「その時殴られた傷。でもそのババア諦めてくんなくて、次の日好きな奴できたっつったら、またお付きの奴らに殴られた」



次の日に違う傷作ってたのは、その時の傷だったんだ・・。



「守屋くん・・」


「その好きな奴って、お前のことな」



そう言って守屋くんは、照れたように笑った。



「それ以来、俺、そこに行かなくなった。でも、俺の周り探られてるかもしれねえから、一週間くらい、ほとんど家から出なかった。お前にも危険があると思って」


「・・・え?」


「ずっとお前に会いたかったけど、俺の隣にお前がいたら、お前が危ねえだろ?あのババア、前に付き合ってた奴が浮気した時、その浮気相手、半殺しにしたらしいし・・」


「・・・」


「さっき結城さんに、お前のことなんでもねえって言ったのは、お前が彼女だと思われたら、お前が危ねえと思ったから」


「・・・」


「連れてくって言われた時に、勝手にしろって言ったのは、その場をやり過ごすため」


「・・・」



守屋くん・・。

私のために・・。