風便り〜大切なあなたへ〜






「守屋くん・・守屋くん!」


「うるせえな」



私はまた、男の人に殴られそうになった。

怖くて目をぎゅっと閉じたけど、今度はなんの痛みも感じなかった。

不思議に思って、私は目をうっすら開けた。

ぼんやり見える視界の先に、大きな背中が見えた。

見覚えのある、逞しい背中・・。

大好きな、愛おしい背中・・。



「守屋くん・・・」


「・・・ごめん、真子」



守屋くんは前を向いたまま言った。

私は守屋くんが来てくれたことが嬉しくて、また泣けてきた・・。



「うっわ・・お前マジかよ」


「こいつに手、出すんじゃねえ」



守屋くんの顔は、私からは見えなかったけど、声は怒りで震えていた。



「いいのかなー?そんなこと言って?」


「・・・てめえ、殺す」


「おー怖っ」


「・・・」


「俺、知らねーからな、香月さんにはちゃんと報告するぞ」


「・・・」



それだけ言って、男の人は軽く手を振って去っていった。



「守屋く、ん・・」


「真子・・大丈夫か?」



守屋くんは私を振り返り、心配そうな顔で私の顔を覗き込んだ。

守屋くんの優しい声が耳に届いて、私は屈み込んで泣いた。


守屋くん・・・。

守屋くんが来てくれた・・。

守屋くん・・来てくれると思ったよ・・。

だって、守屋くんは私のヒーローだから・・。



「・・っ・・守屋くっ・・」


「・・・」



守屋くんは何も言わず、私を抱きしめてくれた。

私は人目も気にせず、声をあげて泣いた・・。

その間、ずっと守屋くんは私の背中をさすってくれていた。



「真子・・ホテルに戻ろう。お前に話したいことがある・・」



そう言って守屋くんは、泣いてる私を抱えて、ホテルまで連れてってくれた・・。