風便り〜大切なあなたへ〜






「へえー・・じゃあ俺がもらってく」


「・・・勝手にしろ」


「え?・・え?」



私は何が起こっているのか、理解できなかった。

私は知らない男の人に腕を掴まれて、連れて行かれそうになった。



「大和・・?・・大和!」



無理やり引きずられて、守屋くんに助けを求めたけど、守屋くんは俯いたまま、その場所から動かなかった・・。


何この状況・・?

やだよ、守屋くん・・。

守屋くん・・!


角を曲がった所で守屋くんの姿が見えなくなった・・。

私は頭が真っ白になって、体の力が抜けて地面に座り込んだ。



「おい、立てよ。お前も捨てられたんだよ。それぐらい気づけ」



・・なに?

この人、なに言ってるの・・?

わかんないよ・・。


気がついたら、涙が頬を伝っていた。

苦しくて、苦しくて、胸が痛かった・・。



「おい・・」



私は泣きながら男の人を見上げた。

男の人は屈んで私の顎を掴むと左右に動かした。


なに・・?

この人、なんなの・・?

守屋くん・・。

どうして、来てくれないの・・?

どうして、止めてくれなかったの・・?

どうして、なんでもないなんて言ったの・・?

ねえ、どうして・・?



「へえー・・悪くねえな」


「な、なに・・?」



目の前の人は、守屋くんの知り合いなの?

もう何もわかんないよ・・。


私は胸が苦しくて、涙が止まらなかった。

目の前の男の人は、涙で霞んで、よく見えなかった・・。



「お前、あいつにヤられたんだろ。俺にもヤらせろよ」



そう言って男の人は私の腕を掴んで、無理やり立たせて、何処かに連れて行こうとした。

私は足に力を入れて、踏ん張った。



「や・・!」


「抵抗すんなよっ」



そう言ってお腹を殴られた。


痛い・・。

痛いよ、守屋くん・・。

お腹も痛いけど、心が方が、もっと痛いよ・・。

助けて、守屋くん・・。



「嫌だよ・・守屋くん・・守屋くん!」


「いくら呼んでもあいつは来ねえよ」


「・・来るよ・・守屋くんは、来てくれるよ・・だって、守屋くんは、私のヒーローだもん・・」


「は?」



そうでしょ・・?

先生から助けてくれた、ヒーローだもん・・。