風便り〜大切なあなたへ〜






守屋くんからゆっくり離れると、守屋くんはびっくりしたような顔で私を見ていた。



「お前、どうしたんだよ・・?」


「・・わかんない・・でも、大和が愛おしくて、我慢できなかった・・」


「・・・」



守屋くんはなにも言わなかった。

そのかわりに、私をぎゅっと抱きしめてくれた。

私もぎゅっと守屋くんを抱きしめ返した。



「・・やべえ、俺、幸せすぎて死ぬかも」


「・・私も・・」


「いっそのこと、駆け落ちでもするか?」


「え?」


「・・・冗談だよ」



そう言って守屋くんは小さく笑った。

私は少し残念に思った。


こんな風にずっと、守屋くんと二人だけで暮らせたら、どんなに幸せなことなんだろうな・・。

だったら、駆け落ちでも、なんでもしたいよ・・。



「・・したい」


「あ?」


「駆け落ち・・」


「・・・ばーか、俺たちまだ学生だろ」



そう言って守屋くんは、私のおでこをぺちっと優しく叩いた。

私は叩かれたおでこに触れて、守屋くんを見上げた。



「俺もしてえよ」


「・・大和・・」


「・・そろそろお前も服着ろよ」


「うん・・」



そう言うと守屋くんは、ベッドから降りた。

私は目のやり場に困って目を泳がせた。

私も服着たいけど、守屋くんがいるから、ベッドから出られないよ・・。



「どうしたんだよ?」



ベッドから出ない私に気づいて、守屋くんは私の所に戻ってきた。

私は守屋くんを見て、また目のやり場に困った。



「お前顔真っ赤だな」


「・・・だって、恥ずかしくて・・」



そう言って私は俯いた。



「昨日さんざん見ただろ?」


「・・・」


「俺も、隅々までお前のこと見てるし」


「・・い、言わないで・・」



私は恥ずかしくて、顔から火が出そうだった。

守屋くんは私の頭に優しく手をおいた。



「俺トイレ行くし、見ねえから、早く着替えろよ」


「うん・・ありがとう」



そう言って守屋くんは、トイレに入った。

私は守屋くんが出てこないうちに、素早く着替えて、出かけられる準備をした。