風便り〜大切なあなたへ〜






お昼過ぎ、イルカショーの放送が流れた。

私は目を輝かせて、守屋くんを見た。



「イルカショーだってよ、どうする?見に行くか?」


「うん、見たい!」


「そう言うと思った」



そう言って守屋くんは小さく笑った。

私と守屋くんは、ショーの会場につくと、後ろの方のベンチに座った。

前の方は、子供連れの家族でほとんど埋まっていた。



「お前も、前に行かなくていいのかよ?」


「うん、なんで?」


「お前、あいつらより子供だろ?」



そう言って守屋くんは、意地悪に笑った。

私は少しムッとして、守屋くんを小さく睨んだ。

守屋くんはびっくりしたような顔で私を見た。



「お前でも、そんな顔すんだな?」



そう言って、また意地悪に笑った。

私は、守屋くんの意地悪な顔に、顔が熱くなってきた。

意地悪だけど、そんな守屋くんも好き・・。

私は恥ずかしくて、俯いた。



「大和の意地悪・・」



そう小さく呟くと、守屋くんは優しく私の頭を撫でてくれた。



「悪かったよ、お前見てると、いじめたくなんだよ」


「・・・」



・・どうして?

はしゃぎすぎて、守屋くんに嫌われた・・?

・・子供だと思われた?

確かに守屋くんは、一つ年上だけど・・。

そんなの嫌だよ・・。

守屋くん、嫌いにならないで・・。

守屋くん・・。



「守屋くん・・嫌いにならないで?」



そう言って私は、守屋くんを見上げた。

守屋くんは、私を優しく抱き寄せると、私の顔を覗き込んだ。



「ならねえよ、なんでそうなんだよ?」


「だって、いじめたくなるって・・」


「・・・よく言うだろ、好きなやつほどいじめたくなるって」



守屋くんはそう言って、私の頭を優しく抱きかかえながら、守屋くんの肩に私の頭を寝かせてくれた。


・・そうなの?

でも、私は守屋くんのこと大好きだけど、いじめたいなんて思わないよ・・。



「私は、ならないよ・・?」


「・・・お前、どんだけ天然なんだよ」


「え?」


「はじまるぞ」



そう言って前を向くと、守屋くんは黙ってしまった。