風便り〜大切なあなたへ〜






水族館につくと、やっぱり水族館も人で溢れかえっていた。

私と守屋くんは、入場券を買うのに少し並んだ。



「やっぱりゴールデンウィークは、人が多いね・・」


「そうだな」



入場券を買って中に入ると、私は大きな水槽に目を奪われた。

少し暗くしてある室内に、水槽からのキラキラした青い光が輝いて見えた。

そこで優雅に泳いでいる、いろんな魚たちも素敵に見えた。

私は興奮気味に、水槽に駆け寄った。



「大和!見て、すごいよ!」


「お前、あんまりはしゃぐんじゃねえよ」



そう言った守屋くんの顔は、笑顔だった。

私は嬉しくて、水槽の壁に手をついた。

水族館に来たのは、これが始めてだった。

大好きな守屋くんと一緒に来られて、すごく、すごく嬉しかった。

感動して、胸がいっぱいになって、少し目が潤んだ・・。



「大和!早く!」



私は少し離れたとこにいる守屋くんに駆けよって、守屋くんの手を掴んだ。

水槽の近くにまで守屋くんの手を引いていくと、守屋くんを見上げた。



「大和、ありがとう」



そう言って、守屋くんに微笑んだ。



「・・可愛いな、お前」



守屋くんが、小さく呟いた。

だけど人の声にかき消されて、守屋くんがなんて言ったのか、私は聞き取れなかった。

私は首を少し傾げて、守屋くんを見た。



「なに?」


「・・・なんでもねえよ」



守屋くんはぶっきら棒にそう言うと、私の頭に手をのせて、またクシャクシャと頭を撫でてくれた。

私は嬉しくて、頬が緩んだ。

私はしばらく、大きな水槽から目が離せなかった。

守屋くんは、お前の気が済むまで見てろよと、言ってくれた。

その間、守屋くんはずっと手をつないでいてくれた。


キラキラした青い光が、私と守屋くんを優しく包んでくれていた。

優雅に泳いでいる魚たちが、私と守屋くんを優しく見守ってくれているような気がした。

私は守屋くんの手をぎゅっと握った。

あたたかい手から、守屋くんの温もりが伝わってきて、すごく幸せだった。