風便り〜大切なあなたへ〜






「なんだよ?」


「な、なんでもない・・」



そう言って、私は守屋くんから顔をそらした。

お風呂という単語にドキドキしたなんて、恥ずかしくて言えないよ・・。

守屋くんは、私の顔を無理やり自分の方に向けると、意地悪に微笑んだ。



「・・一緒に入るか?」



私は守屋くんの言葉に、顔が熱くなっていくのがわかった・・。

息が胸の辺りで詰まって、胸が苦しくなった・・。



「い、いい・・一人でいい・・」


「なんだよ、残念だな」



そう言って守屋くんは、少し強引に、私の唇に唇を重ねた。



「・・・」


「今のは、頑張って耐えてる、俺へのご褒美」



そう言って守屋くんは、悪戯っぽく笑った。

私は守屋くんの顔に手を添えると、自分の顔を近づけて、守屋くんの唇にそっと触れた。



「・・自分でしたらご褒美にならないでしょ・・?だから、私からのご褒美・・」


「・・・」



・・なにやってるの、私?

なんでこんな恥ずかしいこと言ってるの・・?


私は慌てて守屋くんの顔から手をどけて、なんの反応もない守屋くんを見た。


どうしよう・・。

守屋くん、絶対引いてるよ・・。

私、なんてことしちゃったんだろう・・。

守屋くんに嫌われたかもしれない・・。



「・・やべ」


「守屋くん・・?」



私は不安な気持ちで、守屋くんを見上げた。



「・・・ごめん、先風呂借りていい?」


「う、うん・・」



それだけ言って、守屋くんはお風呂場に行ってしまった・・。


やっぱり私、守屋くんに嫌われた・・?

・・そんなの、嫌だよ・・。


私は、泣きたい気持ちを我慢して、まくらをぎゅっと抱きしめた。