風便り〜大切なあなたへ〜






「もう買わねえか?」


「うん、これだけでいいよ」


「じゃあ、それ貸せ」


「え?」



そう言って守屋くんは、私からカゴを奪うと、レジに並んだ。

私は慌てて守屋くんのあとを追った。



「会計は俺がしとくから、お前は外で待ってろよ」


「え・・でも、お金・・」


「まとめて出した方がいいだろ」


「・・・うん、お金はあとで、ちゃんと渡すね」


「おう」



私は守屋くんの返事を聞くと、コンビニの外に出た。

夜の外は、まだ少し肌寒かった。

風が吹くたび、私は小さく腕をさすった。



「寒いか?」



コンビニから、袋をぶら下げて出てきた守屋くんが、私の手を掴んだ。



「ううん、大丈夫だよ」



私はそう言って、守屋くんに微笑んだ。


ホテルの部屋に戻ると、私はカバンからお財布を取り出した。



「いくらだった?」


「いらねえよ」


「え?」


「いらねえ・・見ただろ?俺の家、金だけは持ってるからな」



守屋くんは、不機嫌そうにそう言った。



「でも・・」


「俺と結婚すんだろ?こういうことにも慣れとけよ」



そう言って守屋くんは優しく微笑んだ。



「・・・うん」



私はあんまり納得できなったけど、守屋くんの笑顔に、無意識に返事をしていた。


守屋くんと結婚したら、こういう生活なのかな・・?

きっと私の心臓、守屋くんにドキドキしすぎて、長くはもたないよ・・。

だけど、ずっと守屋くんと一緒いれるなんて、すごく幸せなことなんだよね・・。

早く、そんな日が来るといいな・・。


それから守屋くんと、ご飯を食べて、テレビを見て、他愛もない時間を過ごした。

私にはそんな他愛もない時間が夢のようで、忘れないように、とても大切に、胸に刻み込んだ・・。



「真子、風呂どうする?」


「え・・」



私は守屋くんの急な質問に、大きく心臓が飛び跳ねた。