風便り〜大切なあなたへ〜






「・・そろそろ帰るか」


「うん・・」



私はそう答えたけど、足を踏み出せなかった。

そんな私に気づいて、守屋くんは振り返って、私の顔を覗き込んだ。



「どうしたんだよ」



守屋くんはそう言って、私の手を握ってくれた。

私は守屋くんの手をぎゅっと握り返した。



「大和・・」


「あ?」


「・・ううん、なんでもない」


「なんだよ、気になんだろ?言えよ」



守屋くんは優しい声で言って、微笑んでくれた。



「うん・・」



私は俯いた。



「どうしたんだよ?」


「大和・・」


「なんだ?」



帰りたくないなんて、言ったらダメだよね・・。

この間のデートの帰り際に、守屋くんにも言われた。

そういうことは、あんまり口に出すなって・・。

だけど、やっぱり帰りたくないよ・・。

守屋くんが大好きだから・・。

守屋くんから離れたくない・・。



「真子?」


「守屋くん・・私・・」


「・・・待て」


「え?」


「・・俺が先に言う」



守屋くんは、私を抱き寄せると、耳元で囁いた。



「・・お前を、帰したくねえ」


「え・・?」



守屋くんの熱い吐息が耳にかかり、私は息をすることを、しばらく忘れていた・・。

胸が熱くなって、顔に熱が集まった。



「・・お前を帰したくねえ。お前と、離れたくねえ」


「・・・」



守屋くん・・。

私も同じ気持ちだよ・・。



「真子」



守屋くんは私の名前を耳元で囁くと、私の耳の中に、息を吹きかけた。



「・・や・・」


「・・・お前、耳、弱えよな」


「・・・」



そう意地悪に笑って言うと、守屋くんは私を抱きしめた。

守屋くんの鼓動が伝わってきた。

きっと、私のも伝わってるんだろうな・・。

守屋くん・・大好き・・。