風便り〜大切なあなたへ〜






「言葉の通りです」



先生は、真剣な顔で言った。

私は、先生が何を言いたいのか、わからなかった・・。



「・・今日の昼休み、教室で少し大胆なことをしていたらしいな?多数の生徒が目撃していたぞ。小野先生もそこにいたとか」



そう言って生徒指導の先生は、小野先生を見た。

先生は、爽やかに微笑んで私を見た。



「小林が嫌がっていたので、その場を収めるために・・」


「え・・?」


「そうなのか?小林」



先生の言葉に、生徒指導の先生が私に聞いた。

私は少し俯いて、守屋くんの手をぎゅっと握った。

守屋くんもぎゅっと私の手を握り返してくれた。


確かにちょっと嫌だったけど、そんなこと、この場じゃ言えないよ・・。



「・・こいつが嫌がることしたのは、あんただろ」



私は守屋くんの言葉に、顔を上げ、守屋くんを見た。

守屋くんは、先生を睨んで怒っていた。



「どういう事ですか?小野先生」



今まで黙っていた、教頭先生が口を開いた。



「あ、いや・・」



先生は笑顔を崩さなかったけど、少し焦っているようだった。

私はそんな先生が見てられなくて、口を開いた。



「私は・・何もされていません・・」



私は俯いて、小さな声で言った。


ごめん、守屋くん・・。

だけど、やっぱり言えないよ・・。



「お前、本当にそれでいいのかよ・・」


「・・うん」



私は守屋くんを見て、小さく微笑んだ。

守屋くんは、切ない顔をして私を見ていた。



「小林・・・」



小さく呟いた先生の声が聞こえてきて、私は先生を見た。

先生は、少し辛そうな顔をしていた。


先生、私、言わないよ・・。