風便り〜大切なあなたへ〜






私はトイレに駆け込んだ。

鍵をかけ、ドアに背中を預けた。


守屋くんも、先生も、みんなの前であんな事するなんて・・。

私もう、ここから出られないよ・・。



「真子!」



廊下の方から守屋くんの声が聞こえてきた。

私は息を潜めて、目をぎゅっと閉じた。



「ちょっと!ここ女子トイレだよ!?」


「うるせえよ」



守屋くんの声が近づいてきた。

足音が私の入っているドアの前で止まると、守屋くんの焦ったような声が聞こえてきた。



「真子、ここにいるんだろ?俺が悪かった・・開けてくれ・・」



私は守屋くんの声で、辛そうな顔をしているのが想像できて、鍵に手を伸ばした。



「真子・・」


「私もう・・教室に戻れないよ・・」



守屋くんは、私を包み込むように抱きしめた。



「ごめん・・授業サボろう」


「・・うん」



私と守屋くんは、また屋上で授業をサボることにした。

屋上のドアを開けると、少し風が強かった。

私はこの前の場所に、守屋くんと一緒に仰向けに寝転んだ。



「ごめん、俺、独占欲強えよな・・」


「・・私は、そこまで想ってもらえて嬉しいよ・・でも、みんなの前であんなに注目されるのは嫌だった・・」


「・・・」



私の言葉に守屋くんは、黙ってしまった・・。


ごめんね、守屋くん・・。

私、守屋くんに束縛されるの、すごく嬉しくて、束縛されるの好きだよ・・。

守屋くんが、私を想っててくれてるのが、伝わってくるから・・。

だからもう、守屋くんを傷つけたりなんかしないね・・。


私は、守屋くんの手に、自分の手を重ねて、優しく握った。



「大和・・」


「・・・」


「ずっとずっと大好きだよ・・だから、これからも・・私のこと、ずっと独占しててね・・」



私の言葉に、守屋くんは手をぎゅっと握った。



「いいのかよ・・またさっきみたいになるかもしれねえんだぞ?」


「うん・・いいよ、大和だったら・・さっきは、ごめんね?」



私がそう言うと、守屋くんは体を起こし、私の両肩を手で優しく押さえた。