風便り〜大切なあなたへ〜






「・・なんでいんだよ」



そう言って守屋くんは、先生を睨んだ。

そんな守屋くんに、先生は爽やかな笑顔で答えた。



「小林に会いに」


「・・・」


「先生・・」



私は小さく呟いた。

先生は私を優しい眼差しで見つめると、風香ちゃんの席に座った。



「小林、手紙は読んでくれたか?」


「あ・・えっと・・」



私は守屋くんが破いてしまったなんて、言えなかった・・。

私は守屋くんを見た。



「俺が破いてやった」



守屋くんは、悪びれる様子もなく言った。

先生は小さなため息をついた。



「そうだと思ったよ。お前はそういう奴だ」


「で、でも、捨ててないです・・」


「余計なこと言うなよ」


「小林は優しいから、誰かさんとは違うんだよ」


「・・・」



先生は爽やかな笑顔で言っているけど、守屋くんに敵意丸出しで、私はここから逃げ出したくなった・・。

守屋くんは、私の腕を引っ張り、私を守屋くんの膝の上に無理やり座らせて、後ろから私に抱きついた。

私は周りに他の生徒がいるのに、こんなことされ、恥ずかしくて守屋くんから離れようとした。



「ちょ、ちょっと!」


「あいつに近寄るな」



そう言って守屋くんは、もっと力を入れ、私を離さなかった・・。

私は抵抗しても意味がないとわかり、おとなしく守屋くんの膝の上で縮こまった。



「守屋、小林が嫌がってるだろ。離してやれ」



先生の声は少し怒っているようだった。



「だれが離すかよ」


「・・大和・・」



私が小さく守屋くんの名前を呟くと、先生は私の腕を引っ張った。



「守屋、離してやれっ」


「こいつに触んなっ」



そう言って守屋くんも私をぎゅっと抱きしめた。

教室中がざわついた。

廊下を通っている人たちも、足を止めて私たちを見ていた。



「やめて!」



私は今までにないくらいの、大きな声で叫んだ。

その瞬間、守屋くんと先生の力が弱まった。

私はその隙に、走って教室を飛び出した。