風便り〜大切なあなたへ〜






短い沈黙が流れた後、守屋くんは足を止めた。

私もつられて足を止めた。



「どうしたの?」


「・・あいつ、教師のくせになに考えてんだろうな」


「・・・うん」



私は守屋くんの言葉に俯いた。

先生が私を好きなのはわかった・・。

でも、私は生徒だし、先生は先生なのに・・。

私を守屋くんから奪うだなんて・・。



「・・学校に言ったら、あいつ、クビになんじゃねえか?」


「え?」



私は顔をあげて、守屋くんを見た。

守屋くんは真剣な顔をしていた。



「お前を守るためだ。手段は選ばねえ」



そう言って守屋くんは、優しく私を抱きしめてくれた。

私は守屋くんの言葉が嬉しかったけど、だけど、少し胸が痛んだ。


それが一番かもしれない・・。

でも、だけどそんな事したら、先生が可哀想だよ・・。

生活だってあるのに、生徒に手を出して、クビになったなんて事になったら、生活できなくなるかも・・。

後ろ指さされて、周りからなんて言われるかわからないよ・・。

そんなの可哀想だよ・・。


私は俯いて、守屋くんの胸を小さく押して、守屋くんから少し離れた。



「真子?」


「・・・ダメだよ」


「あ?」


「そんなの、先生が可哀想だよ・・」


「・・・」



守屋くんは何も言わず、私の頭に、優しく手を置いた。

私は守屋くんを見た。

守屋くんは悲しそうな笑顔で、私を見ていた。



「・・お前、優しすぎ」


「でも・・」


「でも、俺、お前のそういう所、嫌いじゃねえよ」



そう言って、守屋くんは優しく微笑んだ。



「俺と付き合う前、それと、話したくねえだろうけど・・お前が襲われた時、あいつと何があったのか、話してくれるか?」



守屋くんはそう言って、優しく私の頭を撫でてくれた。

私は優しい守屋くんに、小さく息を詰まらせ、胸をときめかせた。



「・・うん」



やっぱり、何があっても私、守屋くんが好きだよ・・。

教室で、守屋くんに冷たくされた時は、辛くて、苦しかったけど、でも、そんなのはもうどうでもいい・・。

私のことを知ろうとしてくれている、守屋くんが、今はすごく嬉しいよ・・。