風便り〜大切なあなたへ〜






・・嫌だよ、守屋くん・・。

どうして・・?

どうして、私を見てくれないの・・?



「守屋くん・・どうして、私を見てくれないの・・?」



私がそう言うと、守屋くんは辛そうに顔を歪めた。

そして、そのままゆっくりと、私に視線を合わせてくれた。



「ごめん・・守るって言ったのに、なのに俺、お前を守れなかった・・」



そう言って、守屋くんは私の肩に頭を乗せ、肩を震わせた。


・・守屋くん。


私は守屋くんの頭を抱きかかえるように、守屋くんを抱きしめた。

こんな弱々しい守屋くんを、私は見ていられなかった・・。



「守屋くん・・・」


「ごめん・・」



謝らないで、守屋くん・・。

守屋くんは何も悪くない・・。

私が、もっと気をつけていれば、あんな事にはならなかったかもしれない・・。

だから、私が悪いの・・。



「守屋くん・・違うよ、私が悪いんだよ・・」


「・・ごめん・・ごめん・・・ごめん・・」



守屋くんはずっと、ごめんと言い続けた。

私は守屋くんに、ごめんと言われるたびに、胸が苦しくなった・・。

二人で涙が枯れるまで泣いた・・。

静かな教室に、私と守屋くんの、すすり泣く音だけが響いていた。

涙が枯れ、外が暗くなった頃、守屋くんと学校を出た。

綺麗な三日月が印象的な夜だった。

土手まで何も話さなかったけど、守屋くんと繋いだ手は、いつもより力強く感じた。



「・・大和」


「・・なんだよ」


「・・何があっても、ずっと私の手を離さないで、掴んでいてね・・・」


「あたりまえだろ・・誰が離すかよ」


「・・ありがとう・・私も大和の手、絶対に離さないからね・・」



私は守屋くんの手をぎゅっと握った。

守屋くんの手は、いつも通り大きくて、あたたかかった。


守屋くん・・。

私は何があっても、絶対に守屋くん手を離さないから・・。

だから、守屋くんも絶対に、私の手を離さないでね・・。