風便り〜大切なあなたへ〜






放課後、私と守屋くんは、誰もいない教室で小野先生を待っていた。

静かな教室に、遠くから聞こえてくる音だけが小さく響いていた。

私は守屋くんの手をぎゅっと強く握った。

守屋くんは、優しく握り返してくれた。



「・・先生、遅いね」


「そうだな」


「・・・」


「・・・」



長い沈黙が流れた。

いつもはこんな沈黙なんともないのに、今は変な緊張のせいで居心地が悪かった・・。

私は守屋くんを見た。



「大和・・」


「大丈夫だ。俺がついてる。俺がお前を守ってやるよ」


「うん・・」


「ちゃんと、あいつと向き合うんだろ?」


「うん・・」



私の顔は、どんどん下に俯いていった。


その時、教室のドアが開いた。



「・・待たせたな」



そう言って、小野先生が教室に入ってきた。

私はまた、守屋くんの手をぎゅっと握ると、守屋くんはまた、私の手を優しく握り返してくれた。

守屋くんの手の温もりが伝わってきて、私は少し落ち着いた。

先生は、風香ちゃんの椅子を後ろに向けて、座った。



「・・・」


「・・・」


「・・・」



短い沈黙が流れた。

先生はどう話を切り出したらいいのか、わからないみたいだった。

私も口を開いたけど、言葉が出てこなくて俯いた。



「・・・なんであんな事したんだよ」



話を切り出したのは、守屋くんだった。

私はあの時このとを思い出してしまい、小さく肩が震えた。



「・・・すまなかった」


「・・・」


「・・俺、小林が好きで・・だから・・」



先生の顔は、私が俯いていて見れなかったけど、辛そうな声で先生は言った。



「好きだったら、なにしてもいいのかよ」