蝉愛。




兼尾は野球のクラブチームを卒団し、
夜には沢山時間がある。


駅伝メンバー6人で走り込んだ。


萌音は全然付いていけず、
不安で仕方なかった。


兼尾がずっと隣を走りながら声をかけてくれて、限界になったときには一緒に休んでくれる。


冬に海のそばで走るのは辛かったけど、
萌音は皆で頑張れるのが嬉しかった。



「こうやって頑張れるのもさ、あと少しやね」


「うん。これ終わったら受験勉強1本やからな」


「俺は岡田の彼氏と同じ高校よ」


「そっか」


「俺も校外活動の推薦やけん、早く進路決まったら遊ぼーぜ笑」


「うん!」


「三島に悪いかいな?」


「進路が決まったら、そんなこと考えんでええよ。」



「お、おう?笑」



別れはもう、すぐそこまで近付いていたことを思い知らされた。