狼な彼と赤ずきん

唇を噛んでわなわなと震える狼。


よく状況を把握できないが、とにかく彼は何か大きな勘違いをしているらしい。



「ち、違うの、狼さん、狐さんはただ、こうしろって言っただけで……」



「ああ、つまりそういうことなんだろ?男を喜ばせるためには胸元の開いた服を着て自分から誘えと、そう教えたんだろ?俺の知らない間に、お前はあいつに飼いならされてたってわけか……」



彼の勘違いはますます大きくなってしまう。



「で、貪欲なお前は狐だけでは飽き足らず、俺にまで手を出そうとしたと。…お前がそんな奴だとは知らなかったな」



神話に出てくる邪神のように怒り狂う彼が怖くて、私は泣きながら「違う違う」と繰り返したが、それは逆効果のようだった。



「そうやって涙まで流して、男の前で演技ができる女になっていたとはな……」