狼な彼と赤ずきん

そうはさせない。


私は彼の服のすそを引っ張り、逃げられないようにベッドに腕で押さえつけた。


しかし、それでも女の私の力ではかなわないようだ。


なおも身をよじる彼に、私はついに乗っかった。


ここへ来た日、されたみたいに。


彼の上に覆いかぶさって、顔を近づけるともう一度キスをした。



「お前、何を……っ、やめろ赤ずきん!」



全力で拒絶する狼。


それは、恐らく照れなどではなく、本心からの拒絶。


自分の好きな人のことだから、見ていればわかる。


その様子に、ぐさりと心にナイフが刺さったような気がした。