狼な彼と赤ずきん

――思えば、私が必要とするものは、彼がこの一週間のうちに全部与えてくれた。


自分の部屋も、替えの服も、寝巻きも、食事も、全部。


もっとも服は裁縫の得意な兎に頼んだみたいだが、その代金はやはり彼が払ったのだろう。


こんなに良くしてもらっていて、なお「優しくされたい」とか「好かれたい」と思うのは贅沢なのかもしれない。


いや、贅沢に決まっている。


それでも、つっけんどんな態度をとる彼のさりげない気づかいを知るたびに、私はどんどん彼を好きになってしまう。



もう、この思いは止められない。


だから、ちゃんと正面からぶつかろう。