狼が湯浴みを終えた頃、私も続けて浴室へ向かった。


やるべきことはいっぱいあるけど、まずはゆっくりとお湯に浸かって、気持ちを落ち着けるべきだ。


手早く服を脱いで、風呂場の戸を開ける。



「わっ!!」



「きゃあっ!」



――誰もいないはずの浴室。


てっきり、狼はもう湯浴みを終えたと思っていたのに。


裸の彼と、鉢合わせしてしまった。


慌てて腕で体を隠し、適当な物陰に隠れる。


心臓がばくばくと早鐘をうち、体全体が熱くなるのを感じた。


しかし、彼から目を離すことができなかった。