不浄の森の入口に着いた頃には、全身の節々が悲鳴を上げていた。


相変わらず、森は薄暗くて不気味な雰囲気を放っている。


見たこともない草、異様に高く伸びた木々。



森全体がどんよりと重苦しい雰囲気に包まれ、そこはまるで異世界のようだった。



しかし、冴えない私が一生を終えるには悪くない場所なのかもしれない。


そんなことを思いながら、私は木の幹に寄りかかってゆっくりと座り込んだ。


体力が限界に達したのだ。


もうこれ以上動けそうもないし、全身が重く、ひどく眠たい。


とりあえず、狼を探すのは明日にしよう。

私は体重を木に預け、瞼をゆっくりと閉じようとした。



――その時。



「おい。お前、赤ずきんか……?」



誰かが駆け寄る気配がし、体を軽く揺さぶられる。

私はうっすらと目を開けた。



「あなたは……」