狼な彼と赤ずきん

「はい、どうぞ」



熱々の紅茶が私の前に置かれ、私は一口すすった。


甘くていい香りがして、とても美味しい。


久しぶりに、落ち着いた気持ちで味わうことができたと思う。



「それで、悩み事っていうのは何だい?どうせ彼が悪いんだろう」



「ううん、悪いというわけでは……」



一応は生活をさせてくれているわけだし、狼が悪いとは口が裂けても言えない。


私は首を振った。



「あのね、初めて、狼さんに会ったのは十年前のことなの。まだ小さかった私が、この森に迷い込んだ時。狼さんは私を森の出口まで案内してくれたんだけど、その時に『次にこの森に来たら食ってやる』って言われて」