狼な彼と赤ずきん

彼の家の中は、可愛い小物で彩られていた。


花瓶には花が生けてあり、ほんのりと良い香りがする。


壁に飾られている絵は、架空の妖精たちを描いたものだろうか。


これまた、最低限の家具しか置いていない殺風景な狼の家とは大違いだ。



「そこのソファにお座り。今、紅茶を入れてあげよう。砂糖はどれくらい入れようか?」



「ありがとう、多めでお願いするわ」



いそいそと紅茶の準備をする彼をぼんやりと見つめながら、私は言うべきことを頭の中で一生懸命まとめていた。


十年前に食ってやると言われたこと、でも実際はキスをされたこと、それから冷たい態度を取られていること。


話さなければいけないことはたくさんある。