狼な彼と赤ずきん

「おや、赤ずきんちゃんかい?僕の家に来るのは初めてだね。悩みごと?」



「ええ。狼さんのことで、ちょっと」



「ふうん、彼のことだから、人間の女の子と一緒に住むと言った時は心配になったんだよ。新しいお嫁さんを困らせるんじゃないかってね」



「私、お嫁さんなんかじゃないんです……」



もしそうだったら、どんなに嬉しいことか。


でも現実は、夫婦とは程遠い。



「本当にそうなのかい?一緒に住むというからてっきり結婚するんだと思って、住人たち総出でお祝いしてしまったじゃないか。……まあ、立ち話も何だから、家の中にお入り。ゆっくり話をしよう」



住人たち総出、という言葉に引っかかる。


家に来たのはたかだか十人くらいだが、この広い森には彼らしか住んでいないのだろうか。


しかし今その質問をするのは無粋だと思って、私は素直に頭を下げた。



「お邪魔します」