私はわけが分からずに一瞬きょとんとし、それから顔に火がついたかのように耳の先まで真っ赤になるのを感じた。


そんな話、聞いてない!


しかし、必死で首を振って否定しようとする私に目もくれず、フクロウは声を張り上げる。



「皆さん、結ばれる二人に祝杯を!新たな住人に歓迎を!」



彼の掛け声に合わせて再び歓声が上がり、住人たちは嬉しそうに乾杯をして談笑を始める。


私は慌てて、輪の外で文字通り一匹狼を気取っている狼のもとに駆け寄った。



「ちょっと、ちょっと待って!私、お嫁さんとかじゃないわ、ねえ、そうだよね、狼さん?」



肩を揺さぶって問いかけるが、しかし、彼からの返事はない。


それどころか私の方を見向きもしてくれないのだ。


まるで、私の声が聞こえていないみたいに。



「……狼さん?」