勝手に提案して、勝手に決めてしまう狼。


私の脳内は混乱していた。


死のうと思ってここに来たのに、キスをされて、それどころか一緒に住もうと誘われるなんて、全く想像していなかったからだ。



――それだけれど。



「あなたが、それでいいのなら」



私は、すんなりと彼の提案を受け入れることができた。


心の底では、きっと、生きたいって思っていたからなのだろう。



狼はそれから、夜食にクッキーと紅茶を持ってきてくれた。


祖母が他界してからほとんど何も喉を通らなかったが、不思議なことに彼の準備した夜食は食べることができた。


久々の軽食に満足し、再び私のまぶたが重たくなる。


彼は、私が眠りにつくまで、ずっとそばにいてくれた。




――こうして、私と狼の奇妙な同居生活が開始した。