「お前はひとりぼっちなんかじゃねえよ。お前のことを大切に思ってる奴は、お前の婆さん以外にもいるんだぞ。だから、死のうなんて考えるな」



私をベッドの上に組み敷いたまま、彼が言い聞かせるように私に告げる。



「まあ、約束通りいつかは食うけどな。今日はここまでにしておいてやる」



意味深な言葉とともに、彼は体を起こして私の上から退いた。


恋愛のことを何も知らない私だけれど、彼の言う「食う」が、殺すという意味ではないことは何となく理解できた。



「でも、それじゃあ困るわ!私はもう行くあても頼る人もいないのよ!」



「それなら」



私の言葉を遮り、狼がにこりと笑みを浮かべる。



「それなら、俺と一緒にここで住めばいい。今日からお前の居場所はこの家だ。そして、困ったことがあれば俺に頼れ。じゃ、決定な」