「しつこい。」


「えーっ!何で!?」



学校が終わった放課後。私、本条 ふうかは幼馴染みの相田 結衣に言われた。



「そりゃ10回も振られてんのに告白するとかしつこいやろ。しつこ過ぎやろ。マジしつこい。先輩もよー相手するわぁ。あたしやったら呼び出しにも応じひんでッ」


「しつこい言い過ぎ!ひどいわ!」



カキーンッとええ音をたてながら跳んで行くボール。私はそれを相変わらずよー跳ぶなぁ。と思いながら見つめる。あ、ホームランやなかった。


ホームランやなかったことに結衣は軽く舌打ちをし、バットを構え直した。



「ひどないわ。ふぅ、一回考えてみ?振ったのにその後もしつこー告ってくるねんで。しかも2週間で10回目も。ふつーに鬱陶しいやろッ」


「んーんー。そんだけ私のこと好きなんやなぁって思う!!」


「ポジティブ過ぎやろ。あんたアホか」


「ポジティブが取り柄なのでっ!!」


「無い胸張って言うなアホ」



無いとか言わんといてや!これでもBあんねんから!ギリギリやけど!そりゃ結衣より無いけど!「これでも毎日牛乳飲んでんねんで!」と言うと「やっぱあんたアホやわ」と言われた。


ほんま結衣は毒舌やわぁ。と思いながらバットを構える結衣を見る。今日折角結衣の週一のバッティングセンター付き合ったったのに。



「あれー?結衣坊今日はまだホームラン出てへんやん。先週来てへんかったから腕鈍ったんちゃう?」



カウンターからここのバッティングセンターを経営しているおっちゃんがニマニマしながら言う。いつも結衣がホームランを打っては四回までタダの券を持って行くからだろう。結衣も結衣タダ券を使うからお金払わないし。


すると結衣は「うっさいねんじじぃ。先週はテストやったんや」と暴言を吐いた。



「ちょっ、ふぅあたし集中するから向こう行ってて」


「はーい」