「あのさ、俺!愛のこと好き…」

「……愛は俺のものだから」

んん?りょーちゃんが何かを言おうとした時、後ろから腕が回ってきた。

「……裕貴っ!?!?」

は、え…ちょ、何、何なの?!

てか、『俺』?!

あまりの出来事にあたしは声が出ない。

「……裕貴、久しぶりだな」

「……」

こんな裕貴は知らない、私の知ってる幼なじみの裕貴は、いつもヘタレで…

決してこんなに怖い顔はしない。

小さい時からずっと『あいちゃん、あいちゃん』って言ってくれて…

今の裕貴はなんだか知らない『男の人』みたいな感じで少し怖い。

「……なぁ、愛とお前、付き合ってんの?」

「付き合ってな…!! んっ?!」

「そうだよ、だから愛に手出すのはやめてね」

付き合ってないと否定しようとしたのに、唇を塞がれた。

今、キスされたっ?!