ヘタレな幼なじみが実はドSでした。

鈴木くんって確か…学年トップ3のイケメンだったはず。

そんな人があたしに用ってなんだろう。

ていうか、話したことなんてないはずなんだけどなぁ。

告白じゃない!?と莉帆が耳元で言う。

でももし、告白だったらどうしようと密かに期待してしまう。

「な、ないない!!と、とにかく行ってくる……え、裕貴?」

「あ…えっと、その…」

教室を出ようとした瞬間、裕貴があたしの制服の裾を掴んだ。

えっと、鈴木くんまたせてるんですけどー……

「何?用なら早く言ってよねー」

「あ、ううん…なんでもない」

そっか、と返事をしてあたしは教室を出た。

えーっと、屋上だったよね。

鈴木くんってあたしのことなんで知ってるんだろう?

というか、名前なんだっけ。

それに、イケメンだから"学年トップ3の王子"なんて呼ばれてるみたいだし。

そんなことを考えながら屋上へ。