「ん……ん……」
(ここは……)「保健室だよ。」
「保健室……保健室……保健室!?」(ガバ!)
私は勢いよく体を起こした。
「ダメだよ!まだ寝てないと!」
「え……?」
私は声のする方に顔を向けた。
「!?」
「?」
「さ、莢斗!?」
そこには、心配そうに私を見つめる莢斗がいた。
「よかった。元気みたいで。」
私はぽけーっとしていた。
莢斗がおでこに手を当てた。
私はびっくりした。
莢斗はニコッと笑った。
「私……なんで保健室に?」
そう聞くと莢斗は答えた。
「俺が蓬にキスしたら倒れたから連れてきた。」
「!?」
(そうだった!私……莢斗におでこにキスされて気を失ったんだ。)
「にしても……倒れるほど恥ずかしかったか?」
「いや……その……えっと……」
うまく言えない。
「大丈夫だよ。俺さ。」と莢斗がしゃべり始めた。
「俺さ。わかっちゃたんだよね。さっきの蓬の反応見て。ニヤリ……」
私は「え……?」と聞き返した。
莢斗は普通に言った。
「蓬。俺のこと好きだろ。」
「!?!?!?!?」
私はびっくりしてあたふたしていた。
莢斗はそれを見て。
「図星かよ笑」と笑った。
私は顔を赤くして顔を下に向けた。
莢斗はわざとに私の顔をのぞき込む。
「!?ふぅっぐ!」
私は必死に顔を隠して抵抗を続けた。
莢斗は大きい声で「蓬!」と言った。
私はびっくりしてピタッと動きを止めた。
莢斗が頭をかきながら照れくさそうに言おうとした。
「実はさ。俺も蓬のこと……いや、何でもない。」
私は莢斗に勇気を出して聞いた。
「莢斗……?私……莢斗が昔から好きだったの。莢斗は私のこと嫌い……?」
少し上目遣いをして聞いてみた。
莢斗は顔を赤くして答えた。
「俺も……蓬が好き……。」
私は驚いた。
「でも!まだ付き合えない。ごめん。」
私は「どうして?」と聞いた。
すると
「ごめん。言えない。」
と答えた。
「でも俺は蓬が好きだから!これだけは覚えといて。」
そう言い残して莢斗は保健室を出ていった。