「書いてるケド…」

何故、由美が怒っているのか分からない。


「どれだけ恋愛慣れしてないのよ?!
この台詞、かなり脈アリじゃん!!!!!」

と、由美は言う。

「でも1回会った位…」

まで言った所で由美に遮られた。

「1回しか会ってないとかは関係無いの!!
要は気持ちの問題だもん。
薫はどうなの?好きになれそう?」





このまま、ずっと一緒に居たらきっと私は雄に恋心を抱くだろう。



だけどー…


「それに雄君、彼女居るんじゃないの??
彼女が居ないなんて信じられないよ」




由美が少し考え込み、

「つまり、好きになれそうなのね?」


と核心をついてくる。


「言っておくけど、雄君は正真正銘、生まれてこのかた彼女は居ません」

信じられない私の手から携帯をヒョイっと取り上げる由美。



「返事、私が送り返していい?」

と言いながらもうメールを打っている。


「私が送り返すよ!!由美の事だから、変な事送るんでしょ!!」


「変な事は送らないよ。失礼な。
薫の場合はこうでもしなきゃ進まないでしょ!!」

カチカチカチ!!!っと凄い速さでメールを打つ由美。

由美は私の携帯の使い方を心得ている。


送信メールを見てみると、

「薫です。これが私のアドレスです。
雄君こそ、私を忘れちゃダメだよ??」


…とあった。

な…何て事を…ー。
呆然としていると、手の中の携帯が震えた。


びっくりして見てみると、雄からだった。



おそるおそるメールを見る…ー。



「忘れられる訳無いじゃん!!
薫ちゃんみたいに可愛い子をっ!!
俺は今日程晃に感謝した事は無いよ?」



と書いてあった。


その日のメールは薫と由美が駅で別れ、家に帰り、お互いに眠りにつくまで続いていた…。