付き合い始めて1ヶ月。

2人の休みが合う日はずっと一緒にいる。



…なのに。


どうして


私に


触れてくれないの??




触れて欲しい。




雄に触れたい。




そう思うのは、



私だけ??



一緒に居れば楽しくて嬉しいけど


同時に




不安だよ。





だからこそ、


あの時、



あんな



大胆な事が出来たのかもしれない。



駅のベンチに腰をかけて電車を待っている時。



私から、雄の頬に



キスをした。




雄の顔が驚きで一杯になり、
何が起きたかを把握した時、雄の顔が真っ赤に染まる。



そして、口を開いた。

「薫ちゃんにはいつも先回りされるなぁ…
俺、女の子と付き合うの初めてで…。
ずっと抱き締めたい、とか思ってたけど…
言えなくって…。」





雄は少し考え、こちらを向き、言った。



「抱き締めても、イイですか?」


初めて見る、雄の真剣な表情にドキッとした。


と、同時に


嬉しかった。



雄も触れたい、と思ってくれてたんだ。




「ハイ。どうぞ」


と、身を委ねる。



ふわり、と雄の香りがした。



この香りを忘れたくない。




ずっと。



一生、


覚えていたい。



誰にも渡したくない。





そう思った時だった。







雄が急に大きな声を出した。




「あぁっ…ー」





「どうしたの??!」




顔を上げた時だった。