薫の家を知らない俺は、薫と駅で待ち合わせた。


車に乗り込んできた時。



何でか



心臓が跳ねたんだ。



まずは薫が行きたい所をさり気なく聞きつつ。




でも。




実は海に向かってたんだ。




そしたら、薫も

海に行きたいって言って来た。



…運命?



なんて、考えたりして。



最初から海に向かってたんだよ、
って言った時の薫の顔…


思わず抱き締めたくなった。




…言えなかったケド、ね。




海岸を2人で歩く。




こうゆうのが夢だったんだよ。




気付いたら薫は砂に足をとられて転んでたけど。



心配と同時に見た感じはしっかりしてるのに、意外とヌけてる。




そう思うと半笑いで


「大丈夫?」


なんて言ってしまった。



心配したのは本当だよ。



砂が一杯付いてたから、はたいてあげたら


「お母さんみたい」



って言われた。



俺、保護者??



とか思ってたら。




何故か薫が左手に巻貝を握り締めてた。




しかもそれを耳に当てたりして。




…可愛いなぁ。




2人で笑いながら車に乗り込んで、美味しいオムライスを食べに行く。





君には、今日一番のイベントを言ってないから、不安そうだったけど。




ドキドキしてくれたかな。



俺はね。




かなり、




ドキドキしました。





薫が隣りに居るだけで、




薫が笑うだけで







俺の心臓は破れそうなくらい、





跳ね回るんだ。





薫に出会えただけで奇跡なのに、





今こうして薫が俺の彼女なんだ。





誰に感謝すればいいのか分からないくらいの奇跡だ。





そう思うんだ。