お嬢様と執事の不器用なちょっとした話

『貴女のことだから、今顔が真っ青じゃないかしら?


安心して、貴女は間違ってないわ。


返す言葉が見付からないぐらいその通りだったんだから。』



「本当に見ていらっしゃるみたい……。」



冗談のように書かれているが、やはりドキッとする。


それに、手紙に書かれている纏の言葉と自身の顔色がシンクロしてしまう。



『貴女は人と真っ直ぐ向き合える人よ。


仕事の捌きが遅いのは努力しないといけないけど、お客の心に寄り添い壁を無くせる貴女の雰囲気は生まれもったものだと私は思うの。


だからこれからも、貴女は貴女のままでいてね。



私達の最高のコンシェルジュなんだから。』



「錺禰様……、ありがとうございます。」



目頭が熱くなるも、まだ職務中の為何とか耐える。



『父も貴女に会いたいと言ってるし、だからまた伺うわ。


もちろん挙式の相談にね。



では、また会える日を楽しみに。


錺禰纏』



「はい、心よりお待ちしています。」



手紙へとお辞儀をする。



「よし、頑張ろう!」



再び会う日まで、捗拵も元気なコンシェルジュのまま。



「ホテル槐へようこそ!」