お嬢様と執事の不器用なちょっとした話

捗拵の父親もかなりの過保護で、穏やかな祖父や肝っ玉な母親が度々呆れていたのを思い出す。



纏の父親もただ周りが見えていなかっただけだった。


婿候補が御曹司ばかりだったのも、纏に将来苦労させたくないという考えで、庵と似た者同士だったということも判明した。



『それに私と庵の二人で意を決して父に話に行ったのだけど、あっさり婿探しを止めてしまったのよ。


これ以上の婿は居ないって。



こんなことならもっと早く言えば良かったわ。


まあでも、全部貴女が言ってくれたからなんだけどね。』



「ほんと誤解解けて良かったです。」



纏が幸せならば、執事だろうが何だろうが関係無かった。



寧ろ庵だと言われて、喜んでいたぐらいだ。



『貴女に感謝してもしきれないのだけど、一つだけ言わせてもらっていいかしら?


貴女、私がしたことを間違ってると言ったわよね?


それも、凄くハッキリと。


一流ホテルのコンシェルジュが言うには、あまりにもお客に失礼じゃなくて?』



「あー……そういえばそんなことを言った気が…。どさくさに紛れるにしても、やり過ぎだ私っ!」



今度は一変して顔面蒼白だ。