お嬢様と執事の不器用なちょっとした話

『江亀捗拵様


いかがお過ごしですか?



また謝ってばかりいませんか?


私はそれが心配でなりません。』



「さすが錺禰様……。見ていらっしゃるみたいです。」



纏と庵がお話してから数ヶ月後、纏から手紙が届いた。


千里眼を持っているかの如く、冒頭から捗拵の現状を憂いている。



『さて、この間は貴女の妙案のおかげで庵の本心が聞けてとても嬉しかった。


そして私も、長く心に閉じたことを言えてとても良かったわ。


心から感謝申し上げます。


本当にありがとう。』



「いえいえ、そんな……。」



口で謙遜してもにやけた顔は隠せず、手紙を前にしての行動としては怪し過ぎである。



『私の家出の原因であった父の婿探しの件だけど、簡潔にいうと単なる誤解だったのよ。


父は庵を家族同然の認識だったらしくて、最初から頭に無かったようなの。


私の家出も、単に探してきた婿が気に入らないからだと思ってたみたい。



だから、余計に婿探しに夢中になってしまったのですって。



全く嫌になる父親よね。』



「娘のことになると何故か父親は過保護になるんですよね。意味不明で不思議です。」